三越伊勢丹 TOKYO ART LOUNGE

世代を超えて美を追求する ― 濱田家3世代
‐50歳記念‐ 第9回 濱田友緒 作陶展

栃木県益子。その地名を耳にして、濱田庄司、あるいは民藝を連想する人は多いだろう。
今回ご紹介するのは、雑誌やインテリアショップでも耳にするようになった、民藝運動の中心人物の一人、濱田庄司(はまだしょうじ)の孫にあたる、濱田友緒(ともお)氏の展覧会である。

濱田友緒氏を語る上で、祖父、庄司は外せない。
民藝運動の思想を柳宗悦(やなぎむねよし)が担当したとしたら、それを体現し、軌道修正したのが、濱田庄司である。

濱田庄司は生前自らの経歴を、「京都で道を見つけ、英国で始まり、沖縄で学び、益子で育った」と述懐したという。そのとおり、大正、昭和初期と、交通の便や情報速度が今ほどの速度をもっていなかった時代に、東京高等工業学校(現:東京工業大学)卒業後、生まれ育った東京を飛び出て、国内はもとより、海外にも自らが追い求める「生活に根差した美」を体現する陶芸制作に必要な知識や経験を得るために足を運び、時には長期にわたり滞在したという。そんな庄司が、製作の場として、また、生活の場として根を下ろしたのが、栃木県益子である。

益子に居を構えてからの庄司は、自らが学び得た知識をその地で得られる素材の可能性の限りをつくし表現した。その芸術性の高さにより1955年、重要無形文化財保持者(人間国宝)(工芸技術部門陶芸民芸陶器)において認定、その後は、1968年には文化勲章を受章するなど高く評価された。また、後進の育成にも力を注ぎ、1961年、日本民藝館の第二代館長に就任。また1977年には自ら蒐集した日本国内外の民芸品を展示する益子参考館を開館した。

その偉大な祖父の後を、父・晋作氏とともに継ぐのが、今回個展を開催する友緒氏である。
「継ぐ」には、先祖が残したデザインをそのまま受け継ぐという方法もあるが、濱田家の伝承というのはそうではない。自らにしか生み出せない表現を追求することが求められているのだ。

同じ益子の地に住み、そこで得られる素材を使って作家活動をすることは、庄司と変わらない。そんな条件の中で、自らにしか生み出せないものを、というのは極めて難しい。

友緒氏は、新しいフォルム(形)への挑戦に特に力をいれている。祖父・庄司は、今ほど世界との距離が近くなかった時代に、世界規模で自分の表現を追求していた人である。世界との距離が真の意味で近づいた現代社会に生きている友緒氏は、世界の人々に自分の表現に関心を持ってもらう制作活動を繰り広げている。

‐50歳記念‐
第9回 濱田友緒 作陶展

会期
10月11日(水)〜17日(火)(最終日は午後5時閉場)
会場
日本橋三越本店 本館6階 美術特撰画廊

イベントのご案内

ギャラリートーク

2017年10月14日(土)午後2時〜(入場無料・事前予約不要)

本件についてのお問い合わせ

大代表 03-3241-3311
日本橋三越本店 本館6階 美術工芸サロン

三越伊勢丹 TOKYO ART LOUNGEでは、個展開催に先駆けて出品予定の新作をご紹介いたします。(ご予約にてお承りいたします。)
作品のお渡しは展覧会終了後となります。また当サイトでご予約頂きましても、店頭で既に売約済みとなっている場合もございます。予めご了承ください。

濱田友緒(はまだ ともお)/ 略年譜

昭和42(1967)年
栃木県に生まれる
平成  3(1991)年
多摩美術大学大学院修了
平成13(2001)年
日本橋三越本店にて初個展
平成17(2005)年
アサヒビール大山崎山荘美術館「益子 濱田窯 庄司・晋作・友緒」展 出品
平成24(2012)年
(公財)濱田庄司記念益子参考館館長に就任
平成26(2014)年
Casa LOEWE Omotesandoに濱田庄司・晋作・友緒3代の作品を設置
平成29(2017)年
日本橋三越本店にて「-50歳記念- 第9回 濱田友緒 作陶展」を開催