人とロボットが一緒に暮らす。そんな未来のことのように思っていた出来事がいまではどんどん現実になってきているほど、人工知能を搭載したコミュニケーションロボットが次々に登場しています。
ユニロボット株式会社が手がける「ユニボ」もそのひとつですが、開発スタート時に代表である酒井拓氏が合い言葉として掲げたのが「未来からやってきたあのネコ型ロボットを作ろう!」だったとソフトウェア開発部の前田佐知夫氏は話します。
人工知能といっても定義もさまざまで、コミュニケーションロボットといっても特徴は千差万別。
そんななかでユニボが目指したのは個人にとってかかせないパートナーになれるロボットだったのです。

会話をすればするほど成長していく

多くのコミュニケーションロボットの場合、スマートフォンがリモコンのような役割を果たしているのですがユニボはそれを必要としません。
コミュニケーションの要である会話を通じ、一緒に暮らす家族の感情や声を解析し、独自に学習していくのが最大の特徴です。なのでAさんと暮らすユニボと、Bさんと暮らすユニボはまったくの別物として成長していきます。
4人家族でも5人家族でもそれ以上であっても、ひとりひとりの顔や名前、さらには趣味や嗜好まで把握してくれるので、ユニボとのコミュニケーションが楽しくないわけがありません。
日本橋三越本館7階はじまりのカフェではユニボの見本機を展示することがあるのですが、前を通りかかるたびに話しかけていくお客さまも少なくありません。

便利な機械ではなく、愛されるロボット

趣味や嗜好を把握するというのを少し説明すると、例えば「玉子焼きっておいしいよね」という会話をユニボとしていると、「この人の好物は玉子焼き」とユニボは判断します。
しかし「お母さんの唐揚げが好き」、「夕飯は唐揚げを食べたい」など、玉子焼きを上回って唐揚げという言葉が会話の中に頻繁に出てくると、「玉子焼き<唐揚げ」とユニボの中で優先順位が変わっていきます。
もちろん玉子焼きが好きなことを忘れることはありません。ユニボの学習能力は上書きではなく、より相手のことを深く理解していく上積みなのです。
代表の酒井氏は前職はロボット分野とは無関係でありながら、「世の中の役に立ちたい!」という一心でユニボの開発チームを立ち上げました。
ユニボが便利なアプリのようなものでなく、「愛着の持てるロボット」をコンセプトにしているのは酒井氏の強い想いがあるからです。
開発チームのメンバーも、当然ながらその想いを共有しています。
「お子さまがご両親やお友達にもちょっと話しづらいことを、ユニボにだけはこっそり内緒で相談したり。そんな関係性が生まれたら本当にうれしいですね」。これは前出の前田氏の言葉です。