京の帯匠による本物の一張羅
(オンリーワン)

「本物」と称される原点にあるもの

「源兵衛さんが作ったものは、本物ね」。ある女性が〈Gembey X(ゲンベエ テン)〉のコレクションを見てそう話されたそうです。この言葉に〈Gembey X〉の本質が込められています。本物の漆やプラチナを惜しみなく糸にし、技に長けた老練な職人が織りを手掛ける。手にするひとが“本物”を心得ているからこそ、暖簾にかけて嘘のない仕事をする。帯匠「誉田屋源兵衛(こんだやげんべい)」十代目山口源兵衛は、はるか昔から受け継がれてきた織りの歴史を重んじ、良い素材、高い技術で、お客さまとの信頼関係を築いてきた。280年の歴史をもつ帯屋の本質は、〈Gembey X〉でも不変であることを実感できるでしょう。

日本の伝統をすくいとった新たなかたち

〈Gembey X〉のコレクションは京都室町の帯匠「誉田屋源兵衛」十代目山口源兵衛の類稀なる美意識の集大成として2016年9月に発表されました。ご本人が着用されている「源被衣(げんかつぎ)」は平安から江戸時代、上流階級の女性が外出時に着物の上にまとった被衣(かづき)から着想されたユニセックスのアウターです。大胆な牡丹唐草の柄を裏と表で染め分けたクールさ、同時にしっくりとからだに馴染む麻世妙(麻)の良さも肌で感じられます。レザー紐を結うと新たな表情が現れる、着こなしを自由に楽しめる一着です。
クラッチバッグ「紫慈照(むらさきじしょう)」は、本来なら100年以上かけて深みが増す古箔(こばく)の美しさを再現すべく、10年以上の歳月をかけて生み出された職人の超絶技法により革箔をほどこしています。銀彩の奥に高貴なる紫の色合いが秘められています。古箔は本銀箔が長い年月を経て独特の風合いを得たもの。移ろいの美を意識してきた日本人の繊細な感性に通じるところがあります。

素材(テキスタイル)の価値が一張羅になる

なぜ、帯匠「誉田屋源兵衛」十代目山口源兵衛が〈Gembey X〉ブランドを立ち上げたのか?今から30年前、絹や織りの技術を素材(テキスタイル)として残したいと考えるようになったからだそう。「日本特有の美でボーダレス時代にも通用するものを作りたい」とも。日常の生活が和から洋へ移りゆく中、帯匠としての伝承の技と現代の実用性を掛け合わせ、新たなかたちがうまれたのはとても自然なことではないでしょうか。
「呉服最高峰の職人技、本物の素材で作られた新たなかたち。その価値は自然に伝わるものだから。いいものは大事にされるし長持ちする。素材(テキスタイル)の価値が一張羅(オンリーワン)となる」。そんな力強い言葉に裏打ちされた、日本ならではの美しさがGembey Ⅹ(ゲンベエ テン)〉にはあります。

自身のブランドを纏った十代目 山口源兵衛氏。


奥座敷へとつづく玄関間。障子の奥に中庭が広がる。


誉田屋源兵衛のシンボルマーク。

世界も注目する十代目 山口源兵衛

常に革新的である姿勢は、海外でも高く評価されています。2016年11月、イギリス、ロンドンにあるヴィクトリア・アンド・アルバート博物館に招かれ、日本独自のテキスタイルが話題を呼びました。また、海外のラグジュアリーブランドのデザイナーたちが、山口源兵衛氏の話を聞くために帯匠「誉田屋源兵衛」の暖簾をくぐるといいます。日本の伝統的な織りの知識、素材、技術が、世界を魅了するコレクションのランウェイに活かされている昨今。そこに影響を与えているであろう氏の世界観を実際に手にしてみませんか。

箔職人が10年以上の歳月をかけて生み出した技法がほどこされている


十代目 山口源兵衛着用の香被衣。牡丹唐草が印象的。